シーケンシャルライティングと構造化ライティング ― 技術文書における最適なアプローチとは?

日付:2025-07-30 

製造業、IT、ソフトウェア業界において、技術文書は製品とユーザーをつなぐ架け橋です。わかりやすく整理されたユーザーマニュアルやヘルプガイドは、ユーザー体験の向上だけでなく、サポートコストの削減にも大きく貢献します。

技術ライティングの手法には大きく分けて2つのアプローチがあります。それが「シーケンシャルライティング(順序型ライティング)」と「構造化ライティング(モジュール型ライティング)」です。それぞれに特長や適用分野が異なり、用途に応じた選択が重要です。

本記事では両者の違いをわかりやすく解説し、当社が提供する技術ライティングサービスの専門性をご紹介します。

🔹 シーケンシャルライティングとは?

シーケンシャルライティングは、従来型の文章構成法で、紙の本のように「はじめから順に読む」ことを想定したライティング方式です。「概要→設置→操作→メンテナンス」など、章立てされた構成が特徴です。

📘 主なツール:

  • Adobe InDesign
  • Microsoft Word
  • Adobe FrameMaker

適した文書:

  • 設備・機器のユーザーマニュアル
  • トレーニング用教材
  • 印刷配布用のPDFマニュアル

メリット:

  • 読者にとっての読みやすさ(流れが明確)
  • レイアウトの自由度が高い(美しく整えやすい)
  • 初学者向けに適した構成

デメリット:

  • 情報の再利用が難しい
  • 内容の更新に手間がかかる
  • 多言語対応が非効率

🔹 構造化ライティングとは?

構造化ライティングは、情報を独立したモジュール(トピック)として分け、必要に応じて組み合わせて使うライティング手法です。代表的な構造としては、DITA XMLPTXなどが用いられます。

各トピックは「概念説明」「操作手順」「参照情報」などに分類され、再利用や多形式出力が容易になります。

🧰 主なツール:

  • Oxygen XML Editor
  • DITA Open Toolkit
  • MadCap Flare
  • PTX編集ツール

適した文書:

  • ソフトウェアのオンラインヘルプ
  • ナレッジベースやFAQ
  • 多言語・多製品対応の技術ドキュメント
  • サポートポータル用コンテンツ

メリット:

  • コンテンツの再利用が可能
  • 更新や多言語展開が効率的
  • HTML・PDFなど複数形式への出力が容易

デメリット:

  • 初期構築コストが高い(ツール習得が必要)
  • 内容設計に高度なスキルが求められる

🔸 比較表:2つの技術ライティングの違い

比較項目

シーケンシャルライティング

構造化ライティング

読み方

順序的・連続的

検索型・タスク指向

情報再利用

難しい

容易

書式自由度

高い(DTPベース)

テンプレートベース

出力形式

PDF、印刷物

HTML5、PDF、Web Help

適用文書

機器マニュアル、教育資料

オンラインヘルプ、ナレッジベース

🎯 選択の指針:どちらを選ぶべきか?

シナリオ

推奨アプローチ

印刷用の設備マニュアル

✅ シーケンシャルライティング

製品ごとのFAQ・トラブル対応

✅ 構造化ライティング

バージョン違いの多い製品

✅ 構造化ライティング

企業研修・教育教材

✅ シーケンシャルライティング

🛠当社の技術ライティングサービス

当社では、お客様の用途に応じた技術文書制作を、以下の形でご提供しています。

順序型文書制作:

  • ユーザーマニュアルの企画・執筆
  • Word/InDesignでのレイアウト設計
  • 技術図面・イラスト作成
  • PDFの多言語翻訳・DTP

🔧 構造化コンテンツ構築:

  • DITAやPTXによるモジュール設計
  • CMS連携、HTML5出力対応
  • 多言語対応と翻訳連携
  • ナレッジベース統合支援

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